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現在、浴室にシャワーが設置されているのは当たり前になっている。便利な世の中ではあるが、それも人が浴室まで移動できることが前提だ。寝たきりになり、浴室までの移動さえ困難になったとき、どうするか。
水や湯を使って体をタオルなどでふく清拭(せいしき)が一般的な方法だ。マッサージ効果もあると聞くが、実際、これを在宅で行おうとすると結構準備が大変だ。台所か浴室からバケツで湯を運んでこなければならなし、汚れた湯の片づけも必要になる。手が滑り、バケツがひっくり返りでもしたら、目も当てられない。
「寝室に洗面台を付けられないか」といった相談も実際にある。ただ後で洗面ボールや配水管、水道などの洗面器を取り付けるのは壁や床の撤去などが必要で大工事になる。そこで提案なのだが、新築の段階であらかじめ配管だけを準備しておくのはどうだろう。配管は壁の中に埋めておけば必要なときに簡単に洗面器を設置できる。使わない限りはそのスペースを家具置き場として活用できる。
映画などで見ると、欧米では寝室にバスルームが付設してある家もある。要介護状態にならなかったとしても寝室の近くに洗面台があれば、足腰が衰えてきたときも何かと便利なのではないだろうか。
実務者会員 徳永栄一 (フォルム設計企画一級建築士事務所)
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