トップページ お問い合わせ サイトマップ
 
 
 
トップページ > 徒然住まい日記(快適なお風呂を)

徳永栄一の徒然住まい日記



快適なお風呂を(1)

安全で快適なお風呂について2回に分けてお話しいたします。

シニア世代になると、外への楽しみを見つけることと快適に住むことへのこだわりを同じくらい持ちたいもので、その筆頭がバスルームではないでしょうか。

入浴スタイルは、お湯はぬるめだとストレスがかからずのんびりした気分を味わえます。湯量は身体に無理がかからないみぞおちまでをお勧めします。

この際にポイントになるのが浴室の室温です。冬の冷えきったお風呂では、修行のようにつらいばかりか、風邪をひきかねません。リラックスとは逆効果になってしまいます。

入浴前から入浴後までの血圧の変化を調査したものによると、室温の低い脱衣室で脱ぎ、冷えきったバルルームに入ると大きな変動を示します。寒さは血圧上昇させるのです。

かかり湯は気化熱で寒さが増し、血圧は極端に上がります。浴槽に入ると水圧が血管を収縮させますので、まだ上昇するようですが、お湯の熱が身体に入ってきますので血圧は一気に下がります。この極端の血圧の変動による身体への影響をヒートショックと言います。浴室の天井に暖房器具を組み込む。乾燥機能付きなので洗濯物が干せる

ヒートショックを回避するために、脱衣所、浴室の室温を一定に保つようにしましょう。温度は季節や個人差もありますが、22℃程度が適当だといわれています。最近は浴室専用の暖房器具が充実しており、現状の浴室に後付けできるタイプもあります。

入浴前にシャワーで浴室全体をまんべんなくお湯をかけて温める方法もありますが、温度をめいっぱい高めにする必要があります。やけどの危険性が高いのであまりお勧めできません。バスタブにシャワーでお湯をためるのも工夫の一つです。空気が対流するので結構室温が上がります。ただし、浴室の機密性が必要です。

室温を上げるには空気を暖めることが必要なので、ヒーターやストーブなどの暖房器具の利用も考えましょう。その際には火事などのご注意ください。

(写真: 浴室の天井に暖房器具を組み込む。乾燥機能付きなので洗濯物が干せる)


快適なお風呂を(2)

今回は、入浴にお手伝いが必要な場合の浴室についてお話をいたします。

浴室の大きさは、一坪(畳2枚分)の大きさが目安になりますが、浴槽の大きさや介助方法などにより微調整が必要です。脱衣所と浴室は段差を作りたくないので、フラットにしても湯水が流れ出ない工夫をしている建具(グレーチング付)を選ぶとよいでしょう。建具はドアよりは引戸を選びますが、出入り口が広く確保できる3枚連動引戸が便利でしょう。

身体を洗うスタイルはいす式にします。いすの高さは400o前後の高いものを選ぶと立ち上がりがスムーズですし、介助者も屈まなくてもよいので楽だと思います。洗体をいす式にした場合には、シャワーの取り付け位置に注意しましょう。一般的には床に洗面器を置いていますが、いす式では棚を取り付けその上に置かなければ使い勝手が悪いばかりか、転倒する危険すらあります。使いやすいシャワー位置は、床から600o前後が良さそうです。シャワーはお湯と水を別々に調整するものではなく、レバー式のものを選ぶと操作が簡単です。最近はタッチスイッチ式のものも市販されています。シャワーヘッドに流水を操作できるスイッチが付いているものは、介助者には好評です。また、シャワーフックは介助者の手が届く範囲にも付けると便利です。

さて、浴槽ですが、あまり大きなものは体がずれて溺れる危険性があります。浴槽内に座って前方の面に足が届く程度の大きさを検討します。モデルルームで座って確認することも必要ですが、お湯が入っていないのでその点を加味して考察してください。

浴槽への出入りを介助する場合のポイントは、浴槽の背中側をタイルなどで浴槽の淵と同じ高さまでの上げないことです。床と同じ高さで開けておくことが必要で、このスペースに介助者が立てると楽にお手伝いができます。まだ、介助が必要でないときは、取り外しの可能な棚などにしておくとよいでしょう。

手すりは、脱衣所から浴室への移動用や洗体からの立ち上がり用、浴槽への移動用、浴槽からの立ち上がり用などが必要になりますが、位置や形状は必ず本人の動作を確認してから決めなければなりません。くれぐれも注意してください。

グレーチング付浴室用3枚連動引戸
グレーチング付浴室用3枚連動引戸
浴槽の背中側に介助者のスペースを確保する。シャワーは高めにつけ、洗面器を置ける棚を設置する。
浴槽の背中側に介助者のスペースを確保する。
シャワーは高めにつけ、洗面器を置ける棚を設置する。



前の日記へ 次の日記へ


 

NPO法人高齢社会の住まいをつくる会

高住会とは?

会の概要
入会について
関連書籍など
バリアフリー住宅・リフォームのヒント・実例・商品など
住まいづくりの流れ
ワンポイントアドバイス
実例
おすすめ商品
制度を使った住宅改修
制度の紹介
改修の事例
住宅相談のご案内
個別相談
ネット相談
バリアフリー住宅の設計者紹介
設計者紹介
イベントのご案内
セミナー、見学会など
リンク他