不慮の交通事故に見舞われたために、これまでの住まいに新たな機能を付加し、地域に住み続ける工夫をした家である。母屋はパーティ空間として残し、新築建物とデッキで繋いだ。次に車椅子の生活が中心になるため、ご本人、奥様、病院でリハビリテーションを担当した医師、PT、OT、そして福祉用具製作メーカーに参加を呼びかけ、ベッドサイド、水廻り空間の配置や寸法決定を行った。この家は加齢による身体機能の低下を視野に入れるなど大きな発想をされた家族の力とその意向をよく理解して住宅づくりに参加した関係チームの連携によって造られた。その動きは、最新高齢者・障害者の家づくりで必要とされている「ハウスアダプテーション」そのものであった。 |