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トップページ > 徒然住まい日記(玄関の設(しつら)え)

徳永栄一の徒然住まい日記



玄関の設(しつら)え(1)

日本では、例えばお正月という「ハレ」の日を迎えるときに、玄関や和室は季節感を楽しむような飾り付けをされる方が多いのではないでしょうか。その時期、デパートや花屋さんなどでは、アレンジに工夫を凝らしたお正月アイテムが並んでおり、飾り付けの様変わりを感じずに入られません。ということは、それらを飾り付ける玄関の設えも変化させていく必要があるように思います。

下駄箱ですが、収納優先で天井までの物を見かけます。大家族であれば必須のものと思いますが、靴を「普段使うもの」「お出掛けする時に使うもの」「季節物」などに分類し、下駄箱に入れるものを、物入に収納するものと分けることをおオーダー品の下駄箱 廊下側に引き出しを作る勧めします。そうすると下駄箱をカウンター式のものを選ぶことができます。日本の玄関には、上り框分の段差があります。この段差を昇降するときにカウンター式の下駄箱なら手が付けるので、安全な上に、飾り棚としても活用できます。カウンター高さは、玄関の土間部分から80〜90cm程度にすると良いでしょう。また、カウンター上部にはコンセントは欲しいものです。和紙のスタンド等を置くと安らぎのある玄関口になります。

カウンター式の下駄箱に来客から見えない位置に引き出しがあると便利です。郵便や宅配便の受け取りの印鑑が収納できます。大事な印鑑です、カウンターの上に出しっぱなしにしないで、引き出しに大事に収納して欲しいと思います。

因みに、靴を収納する物入は、大きさは半間角でもよいですので、照明と換気扇を付けることをお勧めします。靴を探すと時に廊下などの明かりは背面から来ますので、自分自身の影で暗がりになります。また、靴の湿気や匂いがこもらないように強制換気が必要です。半間角の物入であれば、棚は奥行き35cmをL型に作ります。棚間隔は30cm前後がよいでしょう。下部に70cm程の空間を空ければブーツが置けます。是非ハンガーで吊って収納してください。

(写真: オーダー品の下駄箱 廊下側に引き出しを作る)


玄関の設(しつら)え(2)

玄関で靴を脱ぎ履きする文化は日本独自の文化(というか稲作文化からという説が有力ですが)です。ですので、日本の住宅は「清潔な床」が特徴になります。この清潔な床が日本の重要な文化ですので、今後も大事に守られていくものと思います。しかし、これには問題があります。それが上り框の段差です。

従来の住宅の上り框の段差は、30cm程度でした。この高さは、座って靴の脱ぎ履きを行ったり、来客に靴を脱がないでホールの床に座ってもらい接客したりすることを意識しています。近代の住宅では、もう少し低くなって20cm程度になっております。この高さだと土間から玄関に上るときは足を上げやすくなりますが、座って靴を脱いだりするには低すぎて役に立ちません。そこで、座るためのベンチを別に配置することをお勧めします。

ベンチがあれば、買い物帰りの荷物をベンチに置き、そして腰掛けて靴も履き替えられます。また、靴磨きをするときにも便利なアイテムとなります。ただ、ベンチは奥行き40cm程度欲しいので、その分だけスペースを広く取らなければなりません。新築や増築の場合では是非、計画に組み入れて欲しいものです。
 狭い玄関やマンションでは、スペースを確保することは難しいと思いますが、その場合は、壁に取付け、折り畳んで収納のできる壁付けベンチも市販されていますので、検討することをお勧めいたします。上り框の高さ12cmとベンチの設置

さて、玄関の上がり框に「座る」という役目をベンチに譲ったら、「埃や塵を屋内に上げない」ということが段差の役目になります。そうすると上がり框の高さは10〜15cmでも良いと思います。

では、低ければよいのかと言うことですが、余り低すぎると靴にはソールの厚みがありますので、玄関に上る感じではなく、降りるという感覚を受けます。ですので、ある程度の高さは欲しいと思います。また、将来的に福祉用具を使う場合もあるかと思いますので、簡単にスロープを設置できることを考えると安心でききる高さは、10〜15cm程度になるのではないかと思います。

(写真: 上り框の高さ12cmとベンチの設置)





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